
1: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:13:11.53 ID:ZEtnR/wbd
【星野君の二塁打】
(打てる、きっと打てるぞ!)
星野君は、強くバットをにぎり直した。
(かんとくの指示は、バントだけれど、今は打てそうな気がするんだ。どうしよう……。)
ピッチャーが第一球を投げ込んできた。星野君は反射的に、思いきりバットをふった。
バットの真ん中に当たったボールは、ぐうんとのびて、セカンドとショートの間をあざやかにぬいた
。ヒット! ヒット! 二塁打だ。ヒットを打った星野君は、二塁の上に直立して、
思わずガッツポーズをとった。この一打が星野君の所属するチームを勝利に導き、市内野球選手権大会出場を
決めたのだ。
その翌日も、チームのメンバーは、練習を休まなかった。決められた午後一時に、町のグラウンドに集まって、
焼けつくような太陽の下で、かた慣らしのキャッチボールを始めた。
そこへ、かんとくの別府さんが姿を現した、そして、
「みんな、今日は少し話があるんだ。こっちへ来てくれないか。」
と言って、大きなかしの木かげであぐらをかいた。
選手たちは、別府さんの周りに集まり、半円をえがいてすわった。
「みんな、昨日はよくやってくれたね。おかげで、ぼくらのチームは待望の選手権大会に出場できることになった。
本当なら心から、『おめでとう。』と言いたいところだが、ぼくにはどうも、それができないんだ。」
別府さんの重々しい口調に、選手たちは、ただごとではなさそうなふんいきを感じた。
別府さんは、ひざの上に横たえたバットを両手でゆっくり回していたが、それを止めて、静かに言葉を続けた。
(打てる、きっと打てるぞ!)
星野君は、強くバットをにぎり直した。
(かんとくの指示は、バントだけれど、今は打てそうな気がするんだ。どうしよう……。)
ピッチャーが第一球を投げ込んできた。星野君は反射的に、思いきりバットをふった。
バットの真ん中に当たったボールは、ぐうんとのびて、セカンドとショートの間をあざやかにぬいた
。ヒット! ヒット! 二塁打だ。ヒットを打った星野君は、二塁の上に直立して、
思わずガッツポーズをとった。この一打が星野君の所属するチームを勝利に導き、市内野球選手権大会出場を
決めたのだ。
その翌日も、チームのメンバーは、練習を休まなかった。決められた午後一時に、町のグラウンドに集まって、
焼けつくような太陽の下で、かた慣らしのキャッチボールを始めた。
そこへ、かんとくの別府さんが姿を現した、そして、
「みんな、今日は少し話があるんだ。こっちへ来てくれないか。」
と言って、大きなかしの木かげであぐらをかいた。
選手たちは、別府さんの周りに集まり、半円をえがいてすわった。
「みんな、昨日はよくやってくれたね。おかげで、ぼくらのチームは待望の選手権大会に出場できることになった。
本当なら心から、『おめでとう。』と言いたいところだが、ぼくにはどうも、それができないんだ。」
別府さんの重々しい口調に、選手たちは、ただごとではなさそうなふんいきを感じた。
別府さんは、ひざの上に横たえたバットを両手でゆっくり回していたが、それを止めて、静かに言葉を続けた。
2: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:13:18.43 ID:ZEtnR/wbd
「ぼくが、このチームのかんとくになる時、君たちは、喜んでぼくをむかえてくれると言った。
そこでぼくは、君たちと相談して、チームの約束を決めたんだ。
いったん決めた以上は、それを守るのが当然だと思う。
そして、試合のときなどに、チームの作戦として決めたことは、絶対に守ってほしいという話もした。
君たちは、これにも気持ちよく賛成してくれた。
そうしたことを君たちがしっかり守って練習を続けてきたおかげで、ぼくらのチームも
かなり力が付いてきたと思っている。だが、昨日ぼくは、どうしても納得できない経験をしたんだ。」
ここまで聞いた時、星野君はなんとなく
(これは自分のことかな。)
と思った。けれども自分がしかられるわけはないと、思い返した。
(確かにぼくは昨日、バントを命じられたのに、バットをふった。それはチームの約束を破ったことになるかも
しれない。しかしその結果、ぼくらのチームが勝ったじゃないか。)
その時別府さんは、ひざの上のバットをコツンと地面に置いた。そしてななめ右前にすわっている星野君の顔を正面から見た。
そこでぼくは、君たちと相談して、チームの約束を決めたんだ。
いったん決めた以上は、それを守るのが当然だと思う。
そして、試合のときなどに、チームの作戦として決めたことは、絶対に守ってほしいという話もした。
君たちは、これにも気持ちよく賛成してくれた。
そうしたことを君たちがしっかり守って練習を続けてきたおかげで、ぼくらのチームも
かなり力が付いてきたと思っている。だが、昨日ぼくは、どうしても納得できない経験をしたんだ。」
ここまで聞いた時、星野君はなんとなく
(これは自分のことかな。)
と思った。けれども自分がしかられるわけはないと、思い返した。
(確かにぼくは昨日、バントを命じられたのに、バットをふった。それはチームの約束を破ったことになるかも
しれない。しかしその結果、ぼくらのチームが勝ったじゃないか。)
その時別府さんは、ひざの上のバットをコツンと地面に置いた。そしてななめ右前にすわっている星野君の顔を正面から見た。
3: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:13:35.31 ID:ZEtnR/wbd
「はっきり言おう。ぼくは、昨日の星野君の二塁打が納得できないんだ。バントで岩田君を二塁へ送る。これが
あの時チームで決めた作戦だった。星野君は不服らしかったが、とにかくそれを承知した。いったん承知して
おきながら、勝手に打って出た。小さく言えば、ぼくとの約束を破り、大きく言えば、チームの輪を乱した
ことになるんだ。」
「だけど、二塁打を打って、このチームを救ったんですから。」
と、星野君のヒットでホームをふんだ岩田君が、助け船を出した。
「いや、いくら結果がよかったからといって、約束を破ったことに変わりはないんだ。いいか、みんな、
野球はただ勝てばいいんじゃないんだよ。健康な体を作ると同時に、団体競技として、協同の精神を養うための
ものなんだ。ぎせいの精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会をよくすることなんか、とてもできないんだよ。」
別府さんの口調に熱がこもる。そのほおが赤くなるにつれ、星野君の顔からは、血の気が引いていった。
選手たちは、みんな、頭を深く垂れてしまった。
「星野君はいい選手だ。おしいと思う。しかし、だからといって、ぼくはチームの約束を破り、輪を乱した者を、
そのままにしておくわけにはいかない。」
そこまで聞くと、思わずみんなは顔を上げて、別府さんを見た。星野君だけが、じっとうつむいたまま、石のように
動かなかった。
あの時チームで決めた作戦だった。星野君は不服らしかったが、とにかくそれを承知した。いったん承知して
おきながら、勝手に打って出た。小さく言えば、ぼくとの約束を破り、大きく言えば、チームの輪を乱した
ことになるんだ。」
「だけど、二塁打を打って、このチームを救ったんですから。」
と、星野君のヒットでホームをふんだ岩田君が、助け船を出した。
「いや、いくら結果がよかったからといって、約束を破ったことに変わりはないんだ。いいか、みんな、
野球はただ勝てばいいんじゃないんだよ。健康な体を作ると同時に、団体競技として、協同の精神を養うための
ものなんだ。ぎせいの精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会をよくすることなんか、とてもできないんだよ。」
別府さんの口調に熱がこもる。そのほおが赤くなるにつれ、星野君の顔からは、血の気が引いていった。
選手たちは、みんな、頭を深く垂れてしまった。
「星野君はいい選手だ。おしいと思う。しかし、だからといって、ぼくはチームの約束を破り、輪を乱した者を、
そのままにしておくわけにはいかない。」
そこまで聞くと、思わずみんなは顔を上げて、別府さんを見た。星野君だけが、じっとうつむいたまま、石のように
動かなかった。
4: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:13:54.37 ID:ZEtnR/wbd
「ぼくは、今度の大会で星野君の出場を禁じたいと思う。そして、しっかりと反省してほしいんだ。そのために、
ぼくらは大会で負けるかもしれない。しかし、それはしかたのないことと、思ってもらうよりしようがない。」
星野君はじっと、なみだをこらえていた。
別府さんを中心とした少年選手たちの半円は、しばらく、そのまま動かなかった。
終わり。
これが、教科書に収録された「星野君の二塁打」である。監督のサインを守らなかった星野君に対し、勝利に
貢献したという評価は与えられず、逆に出場禁止という罰を与えられてしまう。
ある教科書を見ると、この「星野君の二塁打」というタイトルの横には「チームの一員として」というキャッチが
添えられており、さらに上部には「よりよい学校生活、集団生活の充実」という表記がある。
ぼくらは大会で負けるかもしれない。しかし、それはしかたのないことと、思ってもらうよりしようがない。」
星野君はじっと、なみだをこらえていた。
別府さんを中心とした少年選手たちの半円は、しばらく、そのまま動かなかった。
終わり。
これが、教科書に収録された「星野君の二塁打」である。監督のサインを守らなかった星野君に対し、勝利に
貢献したという評価は与えられず、逆に出場禁止という罰を与えられてしまう。
ある教科書を見ると、この「星野君の二塁打」というタイトルの横には「チームの一員として」というキャッチが
添えられており、さらに上部には「よりよい学校生活、集団生活の充実」という表記がある。
5: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:14:00.34 ID:ZEtnR/wbd
ええんか?
7: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:14:18.75 ID:ZEtnR/wbd
星野くんはなんJに何て課題を残してくれたんや…
9: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:14:35.10 ID:ZEtnR/wbd
星野くん…
12: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:15:08.80 ID:7CZHj/fma
少年野球の闇やぞ
13: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:15:21.32 ID:orToZ33t0
センター何してんねん
14: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:16:06.25 ID:DVTWxXYL0
これマジ?
15: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:16:11.78 ID:Kysqu+FN0
かまいたちのスクイズのネタやな
18: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:17:13.10 ID:R0G1EAZc0
乱してるのは監督やん
19: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:17:15.26 ID:3rQr1Gq30
ええやろ、監督が来た時に作戦の指示には必ず従うことを了承してチーム組んでるわけなんやから。勝利に導いた導いてないに関係なく約束は破ってる。それを反省してもらうのは当然や。功績は認めてもいいとは思うけど
20: 風吹けば名無し 2021/03/06(土) 13:17:39.91 ID:uw79OJJNa
なんか父親が買ってくれた模型を軍に持っていかれるやつなかった?あれクソ嫌いだった
引用元: http://2chspa.com/thread/livejupiter/1615003991
コメント
日本国に生まれたのに日本の法律を遵守しない奴はヤバい奴としか言えない
こういう時に上手いこと言えるかどうかって子どもの人生左右するだろうに
「打てそうな気がする」だけで支持無視したらアカンわ
題材はともかくいろんなことを考えさせる道徳の教科書としては良い題材じゃない?
大の大人にガチギレ気味に晒し上げられるとか野球トラウマになるで
まあこれやな
命令無視を怒るのは指導者としてしゃーないけど晒し上げた上に出場禁止は罰がデカすぎる
そう。道徳の教材なので、決して正解が書いてあるわけではない。
また完全なる正解も存在しないと思う。
あえていうなら、これを読んだ子供たちが「あーでもない、こーでもない」と色々考えて話し合うことが正解。
まあ、世の中って面倒なもんだなって、もやっと思うだけかもしれんが。
でもそういう予感って結構馬鹿に出来ないよな
そのくせ「今の若い奴は自分で考えない」とか言われるんやから
今回の星野君の例では結果的に見れば正解だったってだけで、この過程を許容してしまえば
「結果さえだせば何をやってもいい」と、好き勝手に行動をする奴が増えてしまう。
その結果、個人>チームの価値観ができて、長期的には確実に負ける体制になる。
この先生の言い方はどうかと思うが、方向性そのものは間違ってない。
ただ指導要綱上、特定の価値観に誘導することはままあるで
その上で納得させた上で出番与えないならまだ分かる
ひどい奴だと逆に「なんで打ち頃のボールが来たのに打たなかったんだ?自分でそれぐらい判断しろよ」とか言い出すからな
チームというのなら監督の私物でもあるまいし
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